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ルールと現実の微妙な関係…

あれこれ

こんにちは、しおさいオフィス代表の中村です。

いきなりですが、数年前に泊まった民宿の部屋の「把手」です。実に味がありますね。

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場所は石垣市の某所。もともとは古い木造2階建ての一般家屋だったものを、少しだけ改装して民宿にしているようです。

一応、旅館業法に定める要件(フロント機能など)は最低限満たしていましたが、基本的には本当に「民家」。

個人的には好きですね、こういうところ。

民泊

さて…なぜ古い写真を引っ張りだしてこんな話を始めたかというと、数日前に地元の新聞で気になる記事を読んだからです。

タイトルは「民泊じわり拡大」

著作権の関係で紙面のキャプチャーを掲載できないので、ポイントを箇条書きで抜き出してみます。

・一般の住宅やマンションの空き部屋を旅行者に有料で貸し出す「民泊」が鹿児島県内で広がっている
・外国人旅行者などの需要の受け皿になる一方、旅館業法の許可を受けていない「ヤミ民泊」も多い
・ヤミ民泊のホストの多くは「ホームステイの延長」「悪いことをしているつもりはない」という意識
・県の宿泊業界からは反発が強まっており、一部のマンションでは民泊を阻止する規則を検討するところも出ている

…とまあ、ざっくりとこんな感じ。

ちなみに私が住んでいるマンションでも、民泊を禁止する規則案をすでに作り始めています(一応私も理事なので、最前線で関わってます…というか巻き込まれてます)。

ただ正直、自宅を活用したヤミ民泊を防ぐのは難しいですね。ついさっきも「Airbnb」(民泊を仲介するWEBサービス)で検索してみたところ、鹿児島市内だけで32件の物件がヒットしました。内容から推測すると、ほぼすべて違法なヤミ民泊です。

厄介なこと

念のため確認すると、現在鹿児島県内で民泊をするには、旅館業法に基づく「簡易宿泊所」開設の許可を受けないといけません。

つまり、許可を受けていない民泊は違法なヤミ営業。もちろん罰則もあります。

ただ問題は、罰則の内容が「6ヶ月以下の懲役または3万円以下罰金」と、かなり緩めなこと。

よほど悪質なケースでもない限り、まず懲役はないでしょう。そして3万円なんて、ほんの数人、もしくは数日、宿泊者を受け入れるだけでお釣りが来る金額です。

確信犯でヤミ民泊に手を染める「普通の人」が増えているのも納得。

なにより厄介なのは、ヤミ民泊のホスト側に「悪いことをしている」という意識がほとんどないことです。それどころか、むしろ「人助け」くらいに思っている人も大勢います。

困っている旅行者を助けている
地域の観光に貢献している
だれにも迷惑をかけていない
自分や家族の生きがいになっている

それは確かに結構だけど、だからといって「違法行為」が正当化されるわけじゃありません。

現実路線

とはいっても、政府の思惑(外国人旅行者の受け入れを増やしたい)や世の中の傾向(宿泊施設不足)、新しいサービスの登場(Airbnbとか)など、さまざまな要素を合わせて考えると、

カビの生えた法律(旅館業法)をタテにとって民泊を抑えこもうとするのもナンセンス。

力ずくで封じ込めようとするよりも、新しい時代のルールをきちんと整備するほうが建設的だし現実的です。

もちろん違法行為を黙認するわけにはいかないし、無規則に民泊を認めると犯罪の温床にもなりかねないので、一定のルールは必要でしょう。

政府もそのあたりはわかっていて、今年度中には規制緩和を軸にした新法案が国会に提出される予定です。どれだけ現実的な内容になるかは、フタを開けてみるまでわかりませんが…。

というわけで

もし私が現段階で(行政書士として)アドバイスを求められたら、こう答えます。

・今すぐ民泊するなら、簡易宿泊所開設の許可をとる
・余裕があるなら、新しい法律による規制緩和を待つ

まったく意外性も面白みもないですが、今のところはこれが精一杯。

それにしても、この民泊問題…少し前までは「東京や大阪は大変だな〜」くらいの感覚でしたが、どうやら鹿児島も「待ったなし」の状況になってきたようです。

というわけで、個人的にも規制緩和の方向性など最新の動きに引き続き注意していくつもりです(旅行・観光関係の業務は私の専門テーマのひとつでもあるので)。

それでは〜