瑠璃廟のオヤジと、幻の銀貨

こんにちは、しおさいオフィス代表の中村です。

引き出しの整理をしていたら、ガラクタ箱の中から古いコインを発掘しました。なつかしいな〜コレ。

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表:ハノーヴァ朝の紋章の周囲に以下の文字。

「1867(年)」
「HONG KONG(香港)」
「SHANGHAI ONE TAEL(上海1ティール・重さの単位)」
「HONI SOIT QUI MAL Y PENSE(邪念を抱くものに災いあれ)」

ハノーヴァ朝というのは、当時の香港を支配していたイギリス王室。それと「オニ・ソワ・キ・マル・イ・パンス」というのはフランス語ですが、いろいろあってイギリス王室の紋章の銘として使われてます。

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裏:龍の周囲に「上海壹両」の文字。

龍は「皇帝の象徴」であると同時に、当時のヨーロッパにとっては「中国の象徴」という意味もありました。「上海壹両」は「上海1ティール」のことですね。

これは一体…?

幻の『1両銀貨』…の、レプリカです。

ちなみに本物は、1867年に香港造幣廠(造幣局)が作った試作品。実際には一般に流通しなかったので「幻」なんです。

で、手元のこのブツは、20年前に北京の瑠璃廟(リュウリーチャン)という通りにあった骨董屋のオヤジから、

「絶対本物ダヨ!」

と買わされたものです。日本円で2000円くらいのところをなんとか700円近くまで値切りましたが…あの時のオヤジの余裕からすると、原価は数十円程度だったのかも。

だいたい2000円という言い値からして…

本物のワケなかろうが!

もし本物だったら?

程度のいいヤツなら、オークション(ヤフオクじゃなく、金持ちが集まる本物のオークション)で660万円くらいの値がつくようです。そこそこの程度でも100万円以上。

ちなみにこの1両銀貨には二種類(龍の周りに後光のような線が出ているヤツと、上の写真のようにシンプルなヤツ)ありますが、どちらも試鋳された数が少ないうえ「不採用」の時点でほとんど廃棄されてるので、現存する「本物」はめっちゃ少ないとのこと。

本当に偽物?

もしかして、コレが本物だったら。

…って、ありえませんね。なぜなら。

紋章の下に小さく「982」「G566」という数字がありますが、これはそれぞれ、「銀の含有量=純度98.2%(ほぼ純銀)」と「重量=36.19グラム(重さの単位が今と違う)」を表しています。

で、手元にあるブツはというと…重量はともかく、

どう見ても銀じゃない。

銀特有の変色(黒ずみ)が出ないし、磨いても光沢がヘンだし。色味からして、鉛の含有量がかなり高い「合金」だと思われ…。

それと、全体的に刻印が甘い。

恐らく、本物で型を取ったレプリカじゃなく、さらにレプリカから型を取った「レプリカのレプリカ」か、「レプリカのレプリカのレプリカ」か、あるいはさらに…といったところでしょう。

ま、どうでもいいです。

まとめ

20年前にコレを買った時も、本物じゃないことくらいわかってました。

というか、何か「中国っぽい骨董品」が欲しかっただけなので、別にレプリカでも全然良かったんです。

むしろアホみたいなウソをつかず、堂々と「レプリカです!」と言って売って欲しかった。値段も値段だし。

恐らく、こういうのが好きな人相手なら、

・本物についてのエピソード
・このレプリカの製造エピソード
・安い値段

…この3点を上手にトークしながら売れば、手頃なお土産として喜んで買ってもらえると思うんですけどねぇ。

商売する人が卑屈になったり「ウソ」を言ったりしちゃいけません。

これは、どの商売でも同じこと。

そういう意味で、同じことを何度も繰り返す「三菱自動車工業」はいただけませんね。潔く商売をたたんで、優秀な技術者を他の会社に渡した方が良いと思います。本当に。

というわけで、今日はこの辺で。それでは〜