創業補助金はハードルが高い

こんにちは、コピーライターで行政書士の中村です。

今日は本業のネタで書きます。

テーマは「創業補助金」。

補助金については先日チラッと書きましたが、

4031office.hatenablog.com

 今日は「新しい情報」を踏まえて、創業補助金のザックリした説明や申請要件について説明していきますね。

創業補助金って?

文字通り「創業」、つまり事業を起こす人に必要資金を補助する制度です。具体的には、

店舗借入費、設備費、人件費、マーケティング調査費、広報費、旅費、謝金等(第二創業で既存事業を廃業する場合は、廃業登記や法手続費、在庫処分費等を含む)

について、「新規創業」の場合は100万円〜200万円、「第二創業」の場合は100万円〜200万円に加えて、廃業費用として最高800万円(合計1000万円)まで補助されます。

この補助金額については、ちょっと注意が必要です。

100万円〜200万円(1000万円)といっても、実際に補助してもらえるのは「対象経費のうち、実際にかかった金額の2/3」まで。

ちょっとひっかかりやすい部分なので具体的に書きましょう。

A)実際にかかった額が100万円 → 2/3は66万6000円
B)実際にかかった額が150万円 → 2/3は100万円
C)実際にかかった額が200万円 → 2/3は133万3000円
D)実際にかかった額が300万円 → 2/3は200万円
E)実際にかかった額が600万円 → 2/3は400万円

で、A〜Eがそれぞれ幾らの補助金をもらえるかというと、

A)対象外(100万円に満たないため)
B)100万円
C)133万3000円
D)200万円
E)200万円(200万円が上限のため)

ということになります。

じゃあ、たとえば150万円のうち100万円が補助されたとして、残る50万円はどうするかというと…手持ちの自己資金か銀行からの借入などで用意しなければいけません。

また、そもそも補助金は原則として事後精算なので、もし150万円の経費がかかるのであれば(あとから100万円が補助されるとしても)とりあえず自己資金や借入等で「150万円全額」を用意する必要があります。

そのための「つなぎ融資」といった制度もありますが、本題から外れるので今回はパス。

対象者(ベーシック編)

大前提として、「創業」する者か「第二創業」する者が補助金の対象です。

「創業」という言葉は一般的ですが、

お役所や法律が絡む場合、一般的な言葉でも定義が特殊だったりするので注意が必要です。

では、昨年の募集要項からそれぞれの公式定義を見てみましょう。

まずは「創業」から。

地域の需要や雇用を支える事業や海外市場の獲得を念頭とした事業を、日本国内において興すもの。

補助金の対象となる「創業」については、海外での創業が除外されていますね。あくまで国内の雇用や経済活性化を狙った補助金なので、わからないでもありません。

次に「第二創業

既に事業を営んでいる中小企業者又は特定非営利活動法人において後継者が先代から事業を引き継いだ場合に業態転換や新事業・新分野に進出するもの。

こちらもちょっと特殊ですね。一般に「第二創業」というと、「既に事業を営んでいる事業者が業態転換したり新事業・新分野に進出すること」をいいます。

ところが創業補助金の対象となる「第二創業」では、その一般的な意味に加えて「後継者が先代から事業を引き継いだ場合」という条件が追加されています。つまり、事業承継(世代交代)が必須条件。ちょっとハードルが高いですね。

もっとも、旧世代が企業内に残る(たとえば一線を退いて会長や相談役になる)のは問題ないので、工夫次第ではクリアできないこともないでしょう。

 対象者(アドバンス編)

さて、上記はあくまで基本的な条件。新年度から募集される創業補助金の場合、これに加えてさらに二つの要件が加わります。

早速、一昨日に経済産業省中小企業庁)から発表された資料から抜き書きしてみましょう。

まずは、ひとつめの要件。

産業競争力強化法に基づく認定市区町村で創業、第二創業を行う者

詳しい解説は省きますが、要は「一定の市区町村」での創業のみが対象になる、ということです。具体的な市区町村名については中小企業庁の該当ページへのリンクを貼っておきます。

www.chusho.meti.go.jp

次に、ふたつめの要件。

創業予定の認定市区町村又は当該認定市区町村の認定連携創業支援事業者による認定特定創業支援事業を受ける者

 先ほどの「認定市区町村」に加えて、「認定連携創業支援事業者」と「認定特定創業支援事業」という言葉が出てきました。これも、同じ資料に定義が書かれています。

「認定連携創業支援事業者」
認定市区町村において、認定を受けた計画に沿って、当該市区町村と連携して創業支援を行う事業

「認定特定創業支援事業
認定を受けた計画に盛り込まれる創業支援事業のうち、特に創業の促進に寄与する事業を言います。具体的には、経営、財務、人材育成、販路開拓に関する知識を全て習得できるよう支援する事業であって、創業希望者に対して継続的に行われる事業

 …なんだかわかりにくいので「ふたつめの要件」をシンプルにまとめましょう。

要は「認定市区町村」か「そこから委託を受けた事業者」が実施する「支援事業(創業講座など)」を受講した者、ということです。

 ちなみに…この「ふたつめの要件」は今回新たに付け加えられましたが、その代わりに、昨年までの「認定支援機関からの支援(の確認書)」という要件が外されました。

認定支援機関(銀行や一部の会計事務所など)の支援を受ける手続にはかなり面倒くさい部分もあったので、今回はある意味、多少の要件緩和と見ることもできるかもしれません。

とはいえ「支援事業」の受講が必須になるわけですから、それなりの準備と時間がかかるのも事実です。そもそもどういった「事業」が用意されるのかも、実際のところまだ微妙にわかっていません。これからの動きに注目する必要がありますね。

とりあえずのまとめ

現段階で創業補助金について解説できるのは、これくらいです。

実際に募集が始まるのが4月初旬ということなので、その前、おそらく3月中旬までには詳しい要項が発表されることでしょう。各「認定市区町村」による「支援事業」についても、それまでにある程度分かるといいですね。というか、分からないと困るんですが。

いずれにしても、あいかわらず創業補助金はハードルが高いです!

というわけで、(毎度のことですが)要項が発表されてから動いても遅すぎます。

もし上に挙げたすべての要件をクリアできて、その上で申請を考えている方がいたら…今すぐに、仮のもので良いので「申請書」を書き始めてください。申請書のフォーマットはとりあえず昨年のものを使い、新年度分の要項が発表された段階で新しいフォーマットに書き写すようにしましょう。

もちろん、なにから手を付けたらいいかわからないとか、そもそも「要件を満たせるか判断できない」という方は、専門家の援助を受けるのも一手ですよ。

ちなみに当事務所は…

安心してください、まだ空いてますよ。

お後がよろしいようで。ではでは。