まだまだ続く『TPPと著作権問題』

こんにちは、コピーライターで行政書士の中村です。

 

喉元すぎればなんとやら。最近はTPPの話題をニュースで見かけることも、めっきり少なくなりました。それでも水面下では毎日のように、関係者の方々による協議や調整が行われているようです。

 

著作権もそのひとつ。

 

報道を見る限り、協議のメインは『非親告罪化』に関するもの。(非親告罪化についてはコチラ↓)

4031office.hatenablog.com

 

 ここで、問題点をもう一度整理してみましょう。

 

●現在の著作権法の仕組み

仮に「私が描いた絵」を使って、誰かがマンガを描いたとします(モノ好きもいるもんだ)。そのマンガの絵が、誰が見ても明らかに私の描いた絵をパクった!とわかる場合には、著作権の侵害が疑われます。

 

ここで重要になるのが、「私」の判断。

 

・許せん、訴えてやる!

・まあいいや。ついでに自分も有名になれるかもだし。

 

このどちらを選ぶかによって、私の絵をパクった「誰か」の行為が警察・検察沙汰になるかスルーされるかが決まります。

 

 ●TPP発効後に改正される著作権法の仕組み

基本、「私」の判断は関係ありません。パクリ行為が発覚した時点で、警察・検察が自分たちの判断で動くことができます。通常の犯罪と同じ扱いですね。

 

●で、問題点は?

 2次創作者の「萎縮」です。平たく言うと「警察が怖いから描くのやめよーっと」となる人が増えるかもしれません。パクリ行為が無くなるのは良いことにも思えますが…パクリ行為(同人作品)から新しいオリジナルが生まれることもあります。同人誌や、そっち系のイベントの人気が本来のオリジナル作品の人気を押し上げることもあります。そもそも、政府が推す『クールジャパン』には、アニメ・マンガに加えてその周辺のコスプレ文化とかも含まれています。

 

そういったものが、萎縮してしまう。

 

つまり、クールジャパン政策の失速です。

 

●問題回避の動き

さすがに日本政府も、ここは頑張ったようです。成立したTPP合意の内容を見てみると、著作権非親告罪化について、こんな条件が付いていました。

 

故意による商業的規模の著作物の違法な複製等を非親告罪とする。ただし、市場における原著作物等の収益性に大きな影響を与えない場合はこの限りではない。

つまり、仮に同人誌が作られてイベントで販売されても、さらに、その場に集まった人たちがマンガのコスプレをしていようと、それが本家のマンガの売上に影響するようなものでなければ、今まで通り(親告罪)ということです。

 

これでほとんど問題解決みたいなものですが、さらにダメ押し。 昨日の文化審議会ではこんな方針が出されました。

 

「(非親告罪化について)2次創作などは含めない方向で進めたい」

 

…手厚いことで。少なくともこの「方向」で著作権法改正が進めば、TPP関連で心配されていた問題が実現することはなさそうです。

 

ただ、こんな後出しっぽい条件にアメリカが納得するんでしょうかね(そもそも「非親告罪化」はアメリカの映画産業などを守るために導入されたようなものなので)。今後の動きに注目です。

 

それでは!

 

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